大学の研究と企業の研究

大学の研究と企業の研究に違いはあるかということが関心を持たれる場合があります。私は本質的なところ、つまり研究作業については違いはないと思います。研究作業とはたとえばアイデア着想、実験計画立案(実験科学の場合)、実験実施、結果解析などの一連の作業です。この部分について、必要な能力は大学の研究でも企業の研究でも同じだと思います。
 私は多くの研究者を見てきましたが、優秀な大学の研究者は仮に企業の研究をしても結果を出せ、優秀な企業の研究者は仮に大学の研究をしても結果を出せると思います。ただし、企業の研究はチームを組んで実施する場合が多く、大学に比べて一定のコミュニケーション能力が求められます。また完成した製品が世に出回るかは、市場の評価が必要となります。よって企業の場合、研究作業以外のこういった要因が研究者の昇進に影響することが多いと思われます。

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